2013年1月30日水曜日

こどもBOSAIカフェ 2日目

1日目の保存食作りを終え、2日目スタートです。
まずは、気になる「タネ」と「干し野菜」の変化。


1日で芽を覗かせたタネもチラホラ

 27日のカフェまでに大きくなりますように

 乾いてパリッとした触感のカボチャにみんな驚き!



2日目は、過去の震災を忘れないようにとの想いから、かつて被災者であった秦詩子さんの実体験や人と防災未来センターの見学がありました。震災直後の食糧不足の時に、「温かくて美味しいごはんがどれほどありがたかったか」という秦さんのお話は、当時の様子をリアルにイメージできるほどとても胸に響くものでした。


震災直後をお話して下さった秦さん

 人と防災未来センターの展示ブース



人と防災未来センターの見学を終えた子ども達は、3日目の最終日に「こどもBOSAIカフェ」で出すオープンサンドを試作。このオープンサンドはもちろん非常食と保存食とタネの組み合わせからなる「BOSAI食」です。「命をつなぎ、体も心も元気にする食」というBOSAI食のテーマや、秦さんのお話を基に、コンセプトのあるメニューを一人一人作っていきます。


まずはコンセプトやメニューの名前をシートにまとめます

その後、実際に選んだ食材を使って試作です

 個性あふれる組み合わせのサンドが作られていきます

BOSAI食の「タネ」にあたるスプラウトも入れます

綺麗に組み立てます

 細かな手仕事。職人技!!

試作の後はお楽しみの試食〜



 味を確認したところで、自分で作ったオープンサンドの名前とコンセプトを11人全員が一人ずつ発表します。この11メニューの中から、さらに子ども達がみんなで選ぶ「BOSAIカフェのおススメメニューBEST2」を投票で決めます。


みんな違って、みんないい









さて、誰のおススメメニューがBEST2に選ばれたのでしょう??気になる結果発表は…



人気 NO.2
「よくばりバーガー」
色んな味が混ざり、食べた人が色んな味を楽しめるバーガー


人気 NO.1
「絶対に花咲くバーガー」
街がぐちゃぐちゃになっても
色がたくさんで見た人が嬉しくなるバーガー


子ども達の作ったおススメメニューには、おいしい味やきれいな彩りのサンドを食べることで震災後の弱った心を元気にしたいという想いがたくさん詰まっていました。BOSAI食、それは「心まであたためてくれる食」であるということを、子どもたちがしっかり心に刻んでくれていることが伝わってくる素晴らしいメニューばかりでした。



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BOSAI食体験 ②
非常食:パンの缶詰、缶詰(ツナ、コーン、サーモン、とりささみ)、
レトルトスープ、シリアル、チョコ、ナッツ
保存食:干し野菜・漬け野菜(トッピング用)
タネ:スプラウト

2日目のBOSAI食はカフェメニューと同じ
オープンサンド・スープ・シリアルの3品です



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午後からは、最終日のカフェのテーマである他の人たちとBOSAI食についての学びを「共有する」ための看板と説明のための紙芝居を2班に分かれて作りました。

どうすれば、他の人にも伝えられるか

 学んだものをまとめていきます

まとめる力、スピード、本当にすごかった

こちらは歩く看板のアイデア出し

コチラが完成品!!


さぁ、あと残るは最終日のカフェ開店日のみ!!
子ども達は学び、作ってきたBOSAI食を、他の人たちにうまく伝えて「共有する」ことができるのでしょうか!?乞うご期待…

2013年1月23日水曜日

こどもBOSAIカフェ 1日目

たくさんの命が消え、たくさんの哀しみが神戸の街を包んだ阪神大震災から18年。震災直後、食べるものもなく多くの人たちが久しぶりに届いた温かい炊き出しのごはんに涙ぐんだと聞いています。

そんな当たり前にあった食のありがたさを再確認し、また温かくて美味しい食によって心のぬくもりを感じ、生きる希望に繋げた人たちがどれほど多くいたことでしょう。


NHKシンサイミライ学校NPO Co.to.hanaと共に開催する「こどもBOSAIカフェ」プログラムは、空腹を満たすだけでなく心を満たし、明るく未来を作っていくための「BOSAI食」という新たな食のあり方を、子ども達とともに3日間を通して学ぶものです。

 子ども達との学びを時系列で振り返りたいと思います。
少し長いですが、どうぞ最後までお付き合い下さい。

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「BOSAI食ってなんだろう?」
BOSAI食とは、非常食と保存食とタネの3つを組み合わせた食。 
イノチとキズナをつなぎミライを作る食。



① 命をつなぐ非常食
災害によって寸断されたライフラインが復旧するまでに最低3日。その間、家に買っておいておく非常食はイノチをつなぐ役割を果たす重要な食。

子ども達も非常食の種類について再確認

一緒に揃えておく道具類も確認

3日分の必要な量をみんなで用意


② 体を元気にする保存食
保存食は普段から自分で作りおきできて、いざという時に栄養バランスを整え体を元気にしてくれる食。非常食に不足しがちな野菜も効率よくたくさんとれます。


③ 心を元気にするタネ
被災後の辛く悲しい気分をじわじわと温めてくれる役目を果たすのが野菜のタネです。タネを自分で育てることによって、日々成長する命の営みを目の当たりにし、明日への希望を見いだせます。新鮮な生の野菜を採ることで彩りも良くなり、笑顔になれる食を作ることができます。そんなタネは心を元気にする食。

最終日のカフェで出すスプラウトの種
子ども達が育てたタネをカフェでも出します

非常食・保存食・タネの3つが組合わさることにより、命をつなぎ体も心も元気になれる食。それが「BOSAI食」です。このBOSAI食を学び、自分で作れるようになることで、もしもの時には子ども達自身が自分や大切な人を笑顔にできる食を伝え、実践してくれる。そう信じています。


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「保存食を作ろう」

防災は、コトが起こってから慌てても間に合いません。普段から料理をしたり、野菜の種を蒔いて育てたりしながら、いざという時に使うことができて初めて役立つ防災。そこで、今回は子ども達にも保存食を作ってもらい実践のスキルを身につけてもらいます。作ったのは「干し野菜」と「漬け野菜」の2種類の保存食。


干し野菜 の作り方

① 切る
災害時に役立つスライサーでカットしていきます


② 干す
色んな模様に野菜を並べます
 
 


漬け野菜 (オイル漬けとピクルス)の作り方

① ちぎる・切る



② 炒める(オイル漬け)・塩もみ(ピクルス


③ 漬ける

保存食を作る楽しい体験を通して、笑顔になるBOSAI食を子ども達自身が発信してくれることを願っています。


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昼食は、子ども達がBOSAI食を体験できるようになっています。毎回のメニューは変わりますが、非常食と保存食とタネの組み合わせは変わりません。

BOSAI食体験 ①
非常食:アルファ化米・レトルトカレー・フルーツ缶
保存食:干し野菜・漬け野菜(トッピング用)
タネ:スプラウト・ベビーリーフ・トマト
1日目のBOSAI食はコチラ
カレー・サラダ・デザートの3品です


BOSAI食の昼食も大人気!美味しいですよ〜
 
 


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BOSAI食を学び、作り、食べた1日目。BOSAI食づくしの1日を終えて、子どもの中にどれくらい防災を食から考えるきっかけができたのでしょう。今日蒔いた種のように、最終日までの3日間で「食によるBOSAI」が子どもの中に少しずつ芽生えますように…。
タネの成長や、 干し野菜と漬け野菜の変化、そんなことを楽しみにしながらプログラムは2日目へと続きます。2日目もどうぞお楽しみに!
(※1月19日、20日、27日の詳しい様子は、NHKシンサイミライ学校でも3月頃に放送される予定です。放送日は告知いたしますので、是非そちらもご覧ください。)



2012年12月28日金曜日

こどもBOSAIカフェ開催のお知らせ


今回は初の試みとなる「こどもBOSAIカフェ」イベント開催のお知らせです。地球規模で頻発する災害への備えの大切さを物語るように、いまや「BOSAI」は世界共通語。
そんな「BOSAI」を、子ども達と一緒に「食」から考えるプログラムが、来春1月19日(土)・20日(日)・27日(日)の3日間を通して神戸にて実施されます。このプログラムは、NHKシンサイミライ学校の一環として行われます。




プログラムの3日間を通して、子ども達は災害時に重要な役割を果たす保存食・非常食・種について学び、オリジナルの「BOSAI食」を考えて作ります。1、2日目のプログラム参加は、神戸市立なぎさ小学校の児童に限りますので予めご了承下さい。そして、プログラム最終日の1月27日(日)には、JICA関西にて一般の方に向けて「こどもBOSAIカフェ」をオープンさせます。カフェは、プログラム参加児童が学んだ「BOSAI食」のおもてなしを通してお客さまと「BOSAI食」の学びを共有する場となります。カフェの詳細はコチラです。

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「こどもBOSAIカフェ」

日時:1月27日(日)13:00-16:00
場所:JICA関西(「イザ!カエル大キャラバン!」にて出展)
参加方法:参加費無料にてご自由に参加頂けます
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※プログラムの詳細は下記の資料をご覧下さい。








もしも災害が起こったなら、あなたは誰と何をどのように食べますか?」


当たり前にある「食」が、当たり前ではなくなる災害。日本を激震させた2011年の東日本大震災を受け、「食」から学ぶ防災の必要性はさらに高まっているように感じます。

災害が起こった後、すぐに必要となるのは命をつなぐ「食」。そして、時間の経過とともに次第もとめられるのは、未来を切り拓いていく「食」。「食」は栄養を与えてくれるだけでなく、人と人とを繋ぐ豊かで温かいツールでもあります。災害時だからこそ、困難を共にする人々と限られた資源を分かち合って食べることが、未来の希望へと繋げてくれるように思います。今回の「こどもBOSAIカフェ」では、「共有する心」を養う食のあり方を子ども達と一緒に考えていきたいと思っています。

来春で阪神淡路大震災から18年目を迎える神戸。そんな神戸の街で、私たちは「BOSAI食」という新たな種をまきます。皆さまも是非、「こどもBOSAIカフェ」での学びを共有しにいらして下さい。神戸市立なぎさ小学校の子ども達とともに、多くの方のご来場を心よりお待ちしています。