2012年8月29日水曜日

第5回ガーデン:種と実のつながりを感じよう

残暑まっただ中の8月24日。
まだまだ暑い…

今回は「種と実のつながりを感じよう」
7月13日と8月3日蒔いた「種」から、今ある「実」までの時間を体感します。

種から芽が出て、葉を茂らせ、葉を食べる野菜。
種から芽が出て、葉を茂らせ、実を食べる野菜。
食べる部分は違えど、どちらも種から育ち葉を茂らせます。
地表に出ている葉を観察した後、実を見ていきます。

葉っぱが生い茂っています
土を押しあげて、顔を出すラディッシュ
葉が傷み、虫にも食べられています

種を蒔いたのは1ヶ月前。
子ども達はラディッシュの実を見つめながら、種を植えた日を思い出したでしょうか。
実ができるまでの時間をイメージできたでしょうか。。


さて、次はガーデンの畑全体を見渡し、収穫していきます。

畝をぐるっと歩くのも、すっかりお馴染み
白キュウリ

どんどん収穫していきます



こんなにたくさん採れました


種から実になるまでの月日が野菜を美味しくしてくれます。
ですが、月日が流れる中で野菜は色々な試練にも出会います。今回のガーデンでも、種から育てた野菜の葉が虫からの襲撃により、かなりの部分を食べられていました。


種から育てることの大切さは、人も自然の中で生きていることを実感することでもあります。太陽が強すぎると野菜が弱るのも私たちと同じ。食べ物があれば食べたいのは虫も同じ。色んな生き物が同じ環境下でいて、自然からの影響を受け、食べ物を分かち合っている。そんなことを「虫食いの葉」から学んだ子どもたちでした。

次回は、いよいよ最終回。
最終回はパーティー用の料理をガーデンの収穫物を使って作ります。
雨ニモマケズ、どうか元気に育ってくれていますように…

第5回キッチン:野菜の組み合わせを楽しもう

お盆を過ぎてからの1週間は、あっという間。
8月24日、第5回キッチンクラス。

今回のお題
「野菜の組み合わせを楽しもう」

種から育てる子ども料理教室も、残すところ2回となった今回。
実験のような内容からスタートし、回を重ねるたびに五感を使った料理へと融合してきました。そして、今回はいよいよ料理のトータルコーディネートの日です。

トータルコーディネートするのに選んだ料理は「ハンバーガー」
野菜と野菜の組み合わせをイメージし、お肉やソースも選びます。ネーミングももちろんオリジナル。さぁ、みんなのハンバーガーはどんなバーガーになるのでしょう。。。



まずは、野菜を選ぶところから。
10種類の野菜から4種類の野菜(2種類×2セット分)を選びます。

トマト、ミニトマト、レタス、キュウリ、ネギ
ピーマン、カボチャ、ナス、ポテト、タマネギ
10種類から4種類だけ、、迷いますね
野菜を選んだあとは、組み合わせも考えます
野菜を重ねて、2セット分に分けてます
(ミニトマトとキュウリ、ポテトとピーマン)

野菜選びが終わったら、次はバーガーにはさむパテを作っていきます。
パテ作りの手順は「はかる」「つくる」「やく」の3工程。

手順はこちら

最初の工程は、「はかる」から。
いつものように、シェフのデモを見ながらイメトレです。
子ども達が食い入るように見てるのは、ひき肉をはかる電子スケールの数字。
スケールを使うときの子ども達は、几帳面な審判のよう。
1gの誤差も見逃さないぞといわんばかりの気迫です…

厳しい監視の目がたくさん!!
シェフも思わず手元が狂うかも…
自分でもはかります
スケールとにらめっこ。慎重派です

続いての工程は「つくる」
パテを好みの形に形成していきます。
可愛いハート
愛情たっぷりの証ですね


好きな形に整えたら、最後の工程「やく」
火を入れて、パテを仕上げていきます。

果敢に火に向かいます
男の中の男!
こんがり。ジューシー。

パテがきれいに焼き上がりました。
最初に選んだ野菜、パテ、ソースを合わせて、オリジナルハンバーガー完成まで一気にラストスパートです。

高く積みすぎ!?倒れないかな〜
ソースは3種類からお好みでどうぞ
(チーズマヨ、ケチャップ、マスタード)
 慣れた手つきで仕上げます

オリジナルバーガーの完成!!
 なんと、なんと。ピエロのようなお顔
 お姉ちゃんをお迎えに来た弟くんも大喜び


恒例のまとめシートの作成です。オリジナルバーガーのネーミングも考えて、入れた野菜のシールを貼って食べた感想を書きましょう。

バーガーマンのイラストが冴えてます!
(cho-chan作成)

回収したまとめシートには、みんなが考案した素敵なネーミングがたくさん書かれていました。色に注目した「にじいろばーがー」「みどりバーガー」。食感から命名した「シャキシャキバーガー」「ホクホクバーガー」。野菜の組み合わせを略した「ナスカボバーガー」「カボキュウバーガー」。

これらの名前からは、今までキッチンクラスで体験してきたことが見え隠れしていて、子ども達の心に体験がちゃんと根付いていることを感じました。


今回の野菜の組み合わせからハンバーガーを作る体験によって、嫌いだったキュウリが好きになった子もいます。苦手のトマトが普通になった子も。

「自分たちで育てた野菜を、自分たちで料理する」

このことは、魔法のように子ども達を野菜嫌いから解放してくれます。嫌いだった野菜が食べれるようになったら、少し大人になって世界が広くなった気がして、食べる楽しみも増える。そんな小さな幸せを子ども達に届けられたら素敵だと思います。

子ども達の真剣な顔、キラキラ輝く笑顔に出会えるのもあと1回。
次回はいよいよ最終回です。
最終回のテーマは「パーティーをしよう」
これまでに料理のいろはを体験した子ども達。次回は料理の醍醐味であえる「みんなで食べる楽しみ」を感じる時間を味わいます。

最終回も、どうぞお楽しみに…

2012年8月19日日曜日

第4回キッチン:触感と食感の違いを感じよう

お盆を過ぎて夏休みも後半。
8月17日、第4回キッチンクラス。

お題はズバリ「触感と食感の違いを感じよう」


料理とは「美味しい化学変化」
その美味しさは加工や加熱によってもたらされ、触感を通して伝わります。
今回は、そんな料理の醍醐味である「美味しい変化」を触感を通して深く感じる体験を子ども達にしてもらうことが目的です。

同じ素材を使っても、切り方や火の入れ方が違うと、全く違うモノに形を変える料理。「美味しい変化」は触感とどう関わっているのでしょう?

トマトとジャガイモを題材に、異なる調理で違う触感のする料理へと仕上げていきます。その触感の違い(歯ごたえ)を感じながら、料理を食べ比べをすることで食感(味)の違いに対する答えを探ります。

今回のクラスで特に気をつけたことは、一つの素材に対して使う材料や調味料、調理手順をできるだけ統一すること。触感以外の要素を統一することで、触感の違いが食感にどう繋がるのかを、可能な限り純粋に比較できるようにしました。


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<メニューと材料>

トマト料理:ガスパチョとカナッペの2品
トマト
タマネギ
ニンニク
フランスパン
パセリ
オリーブオイル
白ワインビネガー
バルサミコ
カッテージチーズ
塩コショウ


ジャガイモ料理:ポテトサラダとじゃがオムレツの2品
ジャガイモ
ベーコン
タマネギ
パセリ
バター
マヨネーズ
塩コショウ
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<調理手順>

「切る」
「混ぜる」
「盛りつける」

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今回は4品の料理を作るということで、まずは担当する料理をあみだくじで決めました。
トマト班(ガスパチョとカナッペの2チーム)
ジャガイモ班(ポテトサラダとじゃがオムレツの2チーム)

みんな必死に選びます
結果発表へのくいつきもスゴイ

さぁ、調理開始!!
はじめは「切る」ことから。
触感にダイレクトに繋がる「切る」行為は重要。
今回は、「角切り」と「つぶし」の二つの異なる状態に注目。

包丁使いはこなれた手つきで。バーミックスは初体験。
さらに細かい角切りやみじん切りも


続いて「混ぜる」。
材料を混ぜる。スプーン、ゴムベラ、泡立て器、レードル、それぞれの「混ぜる」ツールで材料と調味料を混ぜ合わせていきます。

少しずつ混ぜて
少しずつ味をなじませる
オムレツでは「焼く」作業が加わり
みんなで「焼く」を観察学習


最後は「盛りつける」。
2つの素材から、触感の異なる料理がそれぞれ2品ずつ。
プレートとカップの中に綺麗に並べられていきます。

ガーデンで収穫した野菜もグリルで登場
ガスパチョ。そーっと入れる練習
みんな平等に…どっちが多いかなぁ
盛りつけ作業もみんなで分担
 ジャガイモ料理は綺麗な黄色
 スプーン使いも二刀流


さぁ、いよいよ試食タイムです。
今回のテーマは「触感」から「食感」への繋がり。
つまり、食べることがメインです。

「いただきます」
触感を歯ごたえで感じながら、食感を味わいます

触感(歯ごたえ)の違いを感じること、そしてそれが食感(味)にどう繋がっているのかを感じ取ること。これはやってみると意外に難しい。美味しいものだと無意識でつい食べることに夢中になるのでなおさらです。

今回のキッチンクラスでは、美味しさの秘密の鍵を触感が握っていること、その触感は調理による加工や加熱によってもたらされること、この繋がりを何となく感じた子ども達の姿が見られました。

擬音語もふんだんに使いながら
触感の違いを自分の言葉で表現



最後に、私たちのレシピについて少しだけ余談です。。
私たちのキッチンクラスには、決まったレシピはありません。
使うものはあらかじめ大人が用意しますが、細かな分量は決まっていません。
その場の生きたコミュニケーションの中で、子ども達が相談しながら、自分の味覚をフル稼働させて一つの料理へと作り上げていきます。

決まった答えがない中で、それぞれの多様な嗜好を盛り込みつつ、一つのものを作り上げる。このことこそ、人が人と折り合いをつけながら共生していくことの基本ではないでしょうか。たかが料理教室、されど料理教室。

料理を通して、子ども達が色んな感覚に耳を傾けながら他者と生きる喜びを感じてくれる時間をこれからも提供していきたいと思っています。


次週、第5回目は「野菜の組み合わせを楽しもう」
野菜たっぷりハンバーガーを作ります。
次回もどうぞお楽しみに!!